Nicotto Town


かきくけこのブログ。


ゲシュ崩ログ 55 昼十時 にて

私は面白い話が不得意で、根暗だからすぐ死んだ人の話とかするんです。そういうの陰気で申し訳ないんですけど、生と死のはざまに考えがち、というのも、

 子どもがなぜか、一緒になんかしてる時、いきなり、「おかあさん…」
ってしんみりと切り出して「どうした?」ってきくと
「…いつも…おせわしてくれて…ありがとうね…」
って言う。いやいや。それ当たり前だから。
「なにいってんのいいんだよ」
感謝の気持ちを言葉にできるなんてなんて素敵だと感動しながらも、ちょっとぞわぞわしてた。漫画とか映画とかで、大体こういうセリフいったキャラクターは死んだりする。やめてやめて…とゾっとしていた。すると
「……いつも…ごはんとかつくってくれて……ありがとう…」
とかしんみりして言う。いやいや。いやいやいや。そんな最後の一葉みたいなやめて、と。病床コントみたいな事いわんでくれえ~となんだかゾっとする。
「ありがとうなんて言わないでいいの!」
と言う。最後のお別れみたいなテンションやめて!って焦った。そしたら子供は元気なく「……うん。」っていう。一体なんだ???その弱気。でも感謝の気持ちをなぜか唐突にいきなり伝えてくれてすっごく嬉しかったし感動したし嬉しいやらかわいい怖いやらで困惑した。
 その後普通に暮らしている。やれやれですよ。時々子供というのは、こうしてゾっとさせるのである。七つまでは神の子と日本人は考えるらしい。夏目漱石の夢十夜だったかの小話で、背におぶっていた子供が、いきなりゾッとする言葉をなげかける。という話があるのですが、あのただひたすらホラーの嘘物語だとしか思えなかったお話が、親になってみてなんとなく不思議と新しい理解があったりすると思います。子供が親に与える不思議なゾッと感というのは、実は子育てあるある話だったのかもしれないな、となんだかしんみりと考えてしまうのだった。ありがとうって言われるとゾワっとするという変な境地に立たされることになるなんて。まったく予想なんてできなかったな。人生まったく予想外ばかりの馬鹿なのだと思う私って。「想定内!」って言いたい。かっこよすぎる。

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2022/10/13 00:43
きゅん



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