クリムゾンとビリー・バンバン
- カテゴリ:音楽
- 2010/04/22 10:10:47
今朝のTV朝日で、坂本冬美の例の曲のダウンロード数がミリオンということで10分くらい取り上げられていた。
「また君に恋してる」は元々ビリー・バンバンの持ち歌だが作詞作曲者は違う。詞は有名な松井五郎、曲は山形出身の森正明(ビリー・バンバンと同事務所所属)の手による。
オリジナル曲(ビリー・バンバン)は2007年から焼酎「いいちこ」のCMソングとしてTVに流れていた。私は後述する理由からこの曲に深く興味を持ち、有体にいえば大好きになった。わずかな短いCMのなかから流れてくるハーモニーとメロディに夢中になり、たまさかCMに巡り会った時にはすべての意識をTVのスピーカーに集中した。
翌々年、演歌の坂本嬢がこの曲をカバーすると聞いたとき、ある程度の期待と不安を同時に覚えた。果して、「いいちこ」の次期挿入曲としてそれを聴いたときにはいささか萎えてしまった。
2009年の年末を飾る紅白。彼女は着物姿ではなく、洋服(その手のボキャブラリは皆無)でその曲をNHKホールで歌いあげた。それ以降は坂本嬢のヴァージョンが世間を席捲していった。
さてこの曲。「ま た きみぃ - にぃ --」の”みぃ”から”にぃ”に到る箇所の、丁度1オクターブ音階が上がるメロディ。
これは70年代からその筋では孤高の存在とも言えるプログレロックバンド、King Crimson(キング・クリムゾン) の1stアルバムに収められている名曲「moon child」に酷似している。1オクターブ上がる箇所の前後を通してだ。
ただし、今はやりの(?)盗作といったことではなく、偉大な作品へのオマージュといったところだろう。その辺ははっきりしている。
音楽、それも制作面に馴染みの無い方には理解しがたい感覚かもしれないが、あからさまに名曲をパクルのと、敬意を表してその雰囲気を取り入れたり引用するのとでは、聴いた印象がまるで違う。
前者は聴いて不快になるが、後者は、かって聴いた名フレーズを思い起こさせてくれた感謝の念さえ湧きあがってくる。
ビリー・バンバンの歌声はせつなくも軽やかに、昔日のプログレ少年の胸に沁み入り、新しく生まれ変わった旋律で心を奪ってみせた。
もはや中年になり下がった(成り上がった)多くのロック・フリーク達は、この「いいちこ」のCMのメロディに、甘く、悔やみきれない様々な想いを重ね合わせていたに違いない。
おっしゃるとおりです。
メロディラインの飽和は、アレンジや構成でカバーできます。
あ、カバー曲は9割5分くらい、悲しいものがあります。
気軽なパクリとは、
似ているかのように見えて、本当に違います・・・・。
最近、素敵と言われるメロディラインそのものが、飽和してきてしまったのか、
よく似た曲がとってもたくさんで。。。
パクリは、その本体を汚されるようで、本当に憎々しいです。
だって、その曲、そのアーティストを愛した耳と心には、
カバー曲ですら、不出来であったら、頭から湯気が出ますから・・・^^;