Nicotto Town


ガラクタ煎兵衛かく語りき


ドラゴンの花嫁




宇宙が永遠なら そんな 危惧は 思いもよりません
もちろん宇宙の定義付けにもよりますけど

今 あなたは いらっしゃいますか?
今 私は 確かに御一緒に存在しています
今 あなたもご一緒できてますよね


やがてこの思考波は オリジナルな周波数と 僅かな原子数で空間に放たれます
どこまでの空間でしょうか?
それは”宇宙”でしょうか?
宇宙を超えた存在でしょうか?
宇宙を超えた存在って何でしょうか?




おおっと ここまでヤバイ発言をしていると 我ながら思っています
存在自体の定義を存在自体が語り出せば ロクなことにはならないと思っています


映画 マトリックスにおける赤いカプセル青いカプセル
母の美味しかった手料理
まぶしいほどに眩かった3人の姉達から受けた(今もなお受けている)愛情
私は世界一 愛されている弟です
断言できます

宇宙一かは 今度膝詰めで 龍一と玉葱酒を呑みかわしながら語り合おうじゃねえか
彼の言い分もあるだろう


彼はドラゴンだった
もちろん今でもそれを維持している ていうか 最後の生き残りである

そうしてるうちにこの銀河系にノーチャンスの女神が派遣された
幾多の犠牲者を出しながらも抗ったが 圧倒的な彼女の行使力の前に
成す術もなかった 

ドラゴンは人間の側についた
その真意もいづれ玉葱酒が語ってくれるだろう
闘いは膠着状態になった







さて
こんなときである
さっきこんな表現をした


龍一は
”最後の生き残りである”


ドラゴンの末裔であると本人(本龍)は覚悟していた
はなっから そう 行動していた




ところが
遠き地 遠き彼方 宇宙の辺縁 生きる者の終着点
空間の終わるところ そもそも認識されていなかったところで

ドラゴンの花嫁が奇跡的に産声をあげた

それはそれはそれは宇宙の過半数の各地域まで あらゆる振動数を
あらゆるレンジで あらゆる感知媒体でほとんどすべてを揺るがした
龍一は雄の本能で即時に察知し
旧知の知己達に一斉送信した

『これはなんだ?』

即座に様々な返信が届いた
「今まで私が雌伏していた理由が我ながらわかった」
「龍は死んでいない おとなしくしていただけだった」
「龍と人間との親和性はお互いチャンチャンだった」


龍一は自分の左右を意味も無く振り返った
自分の心穏やかな記憶を辿った


最後に 煎兵衛に LINE した

「俺 彼女に逢いに行く 邪魔するなよ」






その夜の煎兵衛の返信

「こんにゃろう さっさと行ってこい 俺よりさっさと幸せになって黄」





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