Nicotto Town


ガラクタ煎兵衛かく語りき


病院通りのウラのチビ




2、3年前に同じ題名の日記を書いた
今回もおんなじ内容を書くつもり

でも参照はしてないので 言葉使いや表現は多少違うと思う
またチビのことを書きたくなったんだ ただそれだけ



そこの通りを歩く大人たちは怖がっていた
首輪で野良犬とは違うと分ったけど
誰にでも吠えて 威嚇した
あそこには怖い犬がいる
そんな感じ

今では考えられないけどね


当時自分は5,6歳 
幼稚園帰りにその通りでチビの名を叫んだ
彼はすぐに尾っぽを振って駆け寄ってきた(雌だったのかは永遠の謎)
可愛かった 精悍な表情 狼に近いといえばわかってくれるかな

家に帰る途中だったので そこで別れ 後の再会を目で約した




子供でも近所の評判は聞こえている
あの犬はきかない 吠える 危ない 怖い あの通りは歩きたくない
「へっ?」と思う 「どこが?」 でも評判は聞いてる
同時に嬉しくなる 僕だけなんだ 僕だけなんだ


家で夕食を終えた
その日の母が与えてくれたメニューはサンマとホッケだった
人間はそれらの骨を容易には咀嚼消化できない

さあ わたしの出番である 家人それぞれの食べ残した骨に若干の残飯を混ぜる
夜の更けた病院通りに 皿を1枚持って叫ぶ
「チビ!」「チビ!」「チビ!」

チビは間違いなく走り寄ってくる 舌を垂らし尻尾は全旋回
私の与えた皿の硬い骨を力強い音で噛み砕く 美味しそうに
あ 当時から私は 他生物との接触を嫌っていたのかもしれない
チビをなぜた覚えは残念ながらない
今気付いた




そうして我楽多家専属の生体ディスポーザーと化したチビは満足げに去っていった
また明日 
かくして危険な犬は 飼ってはいないけど 永遠の友人という思い出をのこしてくれた



2年後私は札幌に引っ越した
私の頭の中からはチビという存在は消えた
人間はかようなる存在にすぎない

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2023/09/22 18:09
半世紀後 チビの約40代子孫にあたる目つきの荒い犬が
その通りをうろついていた 空気の色は変わっていた
(もうとうに炭鉱病院は潰れていたので病院通りの名さえそこにはなかった)

何の因果か年老いた煎兵衛が その通りを歩くはめになった
足腰の弱った煎兵衛が叫ぶ
「チビ!」「チビ!」「チビ!」
すぐに来てくれた
持ってきたワンチュールを美味しそうに食べて じゃあまた明日
あの尾の振り方は爺さん(婆さん)ゆずりだね
最近サンマの骨が少なくてゴメンネ
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2023/09/18 12:13
わんわん、、





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